白金台の森には、
4匹のさむがりこぐまがすんでいます。
― 白金台の森のおはなし ―
白金台の森には、
4匹のさむがりこぐまがすんでいます。
白金台の森には、4匹のさむがりなこぐまがすんでいます。
4匹は白金台の森で、のんびり気ままに暮らしていました。
ある朝、こぐまたちが集まっていると、カワセミがやってきました。
きれいな羽をつくろいながら、カワセミが言いました。
君たち、4つ葉のクローバーを知っているかい?
物知りなクッキーベアが言いました。
クローバーは三つ葉のはずだよ?
ところが、実はその中に四つ葉のクローバーがあってね、それを見つけると、なんでも願いが叶うんだよ。
そんな素敵なものがあるんだね!
チャコベアが両手をあげて言いました。
そんなものがあるなら、見てみたいなあ・・
ミルキーベアがうとうとしながら言いました。
よし、それじゃあ探しに行こう!一番に見つけた人が勝ちだよ!
ハッピーベアが飛び上がって言いました。
そして4匹はそれぞれ白金の森のあちこちに出かけていきました。
最初に四つ葉のクローバーを見つけたのは、クッキーベア。森のフクロウカフェの横で、四つ葉のクローバーを見つけました。
やった!でも、これ、どうやって持って帰ったらいいんだろう?かれちゃったら嫌だし
不安になったクッキーベアは家に帰って、"四つ葉のクローバーの運び方"を一生懸命調べました。
う~ん、いくら調べてもわからないや
そうこうしているうちに日が暮れてしまって、翌日四つ葉のクローバーを見に行くと、風で散ってしまって、葉っぱはひとつになってしまっていました。
次に四つ葉のクローバーを見つけたのは、チャコベア。どんぐり公園の大きな広場の隅に、四つ葉のクローバーがありました。
やった!四つ葉のクローバーだ!
すぐにクローバーを抜いて楽しそうにしているチャコベアに広場で遊んでいた動物たちが寄ってきます。
どうしたの?
チャコベアはみんなに四つ葉のクローバーを見せて、どうやってこれを見つけたのを話しました。大げさな身振り手振りでお話はとっても面白かったのですが、ふとクローバーを見ると、葉っぱが散ってひとつになってしまっていました。
その次に四つ葉のクローバーを見つけたのは、ミルキーベア。陽だまりの池の脇に四つ葉のクローバーがありました。
あ、こんなところに!ラッキーだなあ
のんびり屋のミルキーベアは、四つ葉のクローバーを眺めているうちに、陽だまりが気持ちよくて眠ってしまいました。
むにゃむにゃと寝返りを打っている間にミルキーベアは四つ葉のクローバーを踏んでしまっていて、葉っぱがひとつになってしまっていました。
最後に四つ葉のクローバーを見つけたのは、ハッピーベア。古い大きな洋館の前の庭に、四つ葉のクローバーはありました。
やった!見つけたぞ!嬉しいなあ!
うきうきで持って帰ったハッピーベアでしたが、四つ葉のクローバーを見つめているうちに、どうしても葉っぱをとりたくなってしまいました。
とったら四つ葉じゃなくなっちゃう、でもやってみたいなあ・・
ハッピーベアはどうしても葉っぱを取りたくなってしまって、ついに葉っぱをちぎってしまいました!そして家に着いた頃には、葉っぱはもう残りひとつになってしまっていました。
4匹のこぐまはいつものティータイムに集まりました。
みんなそわそわしているけど、誰もクローバーの話はしません。そこにまたカワセミがやってきて言いました。
みんな静かに黙って、どうしたんだい?四つ葉のクローバーを探すのは難しかったかな?
それぞれが見つけたこと、でも葉っぱがひとつになってしまったことを話しました。
みんなの四つ葉のクローバーを見て、カワセミは大笑いしました。
これじゃ、誰の願いもかなわないじゃないか!
そうやって笑っていたのですが、みんながあんまりしょんぼりしているものだから、カワセミもだんだんバツが悪くなってきました。
そもそも、みんなは何を願おうとしていたの?みんなで一緒に言ってごらんよ。
すると不思議なことに、4匹の声がひとつにそろいました。
それはね・・いつまでも4匹で仲良くいられますようにって。
今度は4匹が目を見合わせて大笑い。
なんだ、みんな同じ願いだったのか!
するとカワセミが言いました。
ほら、みんなのクローバーをひとつに集めてごらん。立派な四つ葉のクローバーじゃないか
そういってカワセミもにっこり笑って、またどこかに飛び去っていきました。
4匹はテーブルの真ん中にみんなで集めたひとつの四つ葉のクローバーを置いて、いつものように日が暮れるまで楽しくおしゃべりを続けました。
― おしまい ―